武蔵野市における実例

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自転車・ミニバイクの“放置”禁止を示す看板(左),“放置”防止“指導員”(右) (2004.12.21)

武蔵野市当局は,“撤去”した“放置”自転車の返還費用を,全国で初めて3000円にするなど,早くから自転車および利用者に対する強権的敵対的姿勢をあらわにしてきた。今それを担っているのが,こうした作業服姿の“放置”防止“指導員”なる人物だ。


吉祥寺駅北東部の駐輪スペースと空き地を利用した駐輪場(左),風俗店街の路地にある駐輪場(右) (2004.12.21)

吉祥寺駅はJR中央線と京王井の頭線が接続し,新宿・渋谷方面へのアクセスに便利なところであるとともに,各方面から乗り入れるバスも多い。平坦な地形が広がっていることから,それにもまして自転車利用の需要も多い。駅から北側に延びるこの広い道路は自転車の通行と駐輪の需要が多いところだ。だがそれ故に武蔵野市当局が“対策”に血道を上げることとなり,従来もっとも駐輪需要が高いところを,登録制有料駐輪スペースとするとともに,ここから東に入った路地の風俗街に,巨額の冗費を投入して豪華駐輪場を建設した。武蔵野市当局による自転車“対策”と利用者からの大衆収奪のえげつなさを示している。


吉祥寺駅北口商店街 (2004.12.21)

吉祥寺駅北口商店街では,アーケードを掛け替えて以来,自転車および利用者に対する排他的・敵対的姿勢をエスカレートさせた。自転車通行や駐輪の妨害を意図した看板などが目につく。一方で来客の自転車を店頭に並べることで千客万来ぶりを示す広告塔代わりに利用する店も。


みずほ銀行吉祥寺支店の駐車場附近の大正通りから中心部方面を望む(左),南側に隣接する豪華駐輪場(右) (2004.12.21)

東急百貨店西隣りにあるみずほ銀行(旧・富士銀行)吉祥寺支店の駐車場は,銀行が営業しない土休日,駐輪場に転用される。これは自転車“対策”で“成果”をあげた事例として紹介されたこともあるが,駅前中心部からやや外れたところにあることから,駅前への自転車乗り入れ抑制と,かかる地域の景観からの自転車の排除を策したものであることがわかる。またその南となりには必要以上の建設費をかけた駐輪場がある。


東急百貨店(左)と丸井の有料駐輪場 (2004.12.21)

吉祥寺駅附近にはデパート4店が集中する。東急百貨店はその中でも早くから有料駐輪場を店舗の裏脇に設置し,自転車利用者からの大衆収奪と都市景観からの自転車の排除に手を染めてきた。井の頭公園に近い南口の丸井も,駐輪ラックを設置し有料駐輪場とした。もっともいずれの場合も当該デパートで買い物をすれば,一定の条件下で無料になる。


伊勢丹(左)とロフト(右)の北側の駐輪スペース (2004.12.21)

いずれも吉祥寺駅北口から商店街のアーケードで事実上接続され,駅前商業地の中核部の北寄りにある。伊勢丹北側では自転車整理員が常駐しているが,彼らは伊勢丹の名札をつけ同店関係者と見紛うユニフォームを着ているものの,同店関係者ではない。武蔵野市シルバー人材センターから派遣されているもので,自転車での来店者へのサービスとしてではなく,他と同様に“対策”の対象としての扱いだ。そのため駐輪を待つ来客の列がのびることもしばしば。一方ロフトではこうした整理員はおらずセルフサービスの駐輪スペースとなっているが,何ら滞りも不便もない。需要・必要・不要が何であるか,これらが物語っている。


三越東側の駐輪スペース (2004.12.21)

吉祥寺駅北口で東寄りに位置する同店は長らく関東地方唯一の近鉄百貨店であった。三越(上層階は大塚家具)となって暫く経った最近,これまで裏側である東側のほぼ一面を駐輪スペースとしてきたものを,北側の一角のみに限定しだした。


三鷹駅北側の「塩漬け地」 (2004.12.21)

JR三鷹駅は特別快速と一部の特急列車が停車する。同駅北側にはバブル経済の崩壊で開発されないままになった土地が広がっており,民間による駐車場とあわせて武蔵野市当局が駐輪場に利用している。


三鷹駅北側 (2004.12.21)

三鷹駅南側は三鷹市だが,北側は武蔵野市に含まれる。線路脇のスペースを利用した駐輪場もあるが,売るに売れない「塩漬け地」の対策から,わざと建設費を嵩ませて駐輪場を建設し,その後の維持・管理費用のコストも嵩ませ,そのツケを自転車利用者をはじめとする市民に回すという,武蔵野市当局の大衆収奪体制を,ここでもハッキリと見てとることができる。

(2004.12.)

参考

TV番組「妙案コロシアム」批判」・「TV番組「ご近所の底力」批判
武蔵野市当局の自転車“対策”とこれに加担する偏向TV番組の問題については,こちらを参照されたい。

「全国自転車問題自治体連絡協議会」を解体せよ」・
日本地方自治体の自転車“対策”と「全国自転車問題自治体連絡協議会」
武蔵野市当局が早くから積極的に強行に手を染めてきた,世界に類例を見ない愚劣な日本の自転車“対策”の元兇「全国自転車問題自治体連絡協議会」の犯罪性・欺瞞性については,こちらを参照されたい。

駐輪場強行設置の根拠となった自転車法改正は実に漫画チックな策略
(木村愛二氏のサイト 憎まれ愚痴仰天!武蔵野市『民主主義』周遊記」より)